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いま、モノの値段が大きく揺れています。それを印象づけたのは、今夏八月五日にハンバーガーの再値下げに踏み切ったマクドナルドの動きでしょう。「外食産業で一人勝ちの感すらあった、あの藤田田会長率いるマクドナルドでさえ、消費者の心理を読み違えた」との声が、あちこちで囁かれました。 マクドナルドは今年二月、それまで「平日六十五円」に値下げしていたハンバーガーの価格を「八十円」に値上げ。その背景には、「もはや安いだけではモノは売れない」という事実上の"デフレ終結宣言"ともとれる藤田会長 の判断がありました。二〇〇二年初頭には、日本経済が上向きに転じたことを示す数字があったのも事実です。 ◆消費者心理を読み違えたワケ 総務省発表の消費者物価指数をみると、たしかに二月を底に数字は上昇しています。しかし、これはアジア向けのパソコン関連部品など輸出が牽引したもの。国内消費が上向いたとみるのは早計だったようです。 実際、マクドナルドも値上げ以降の数字は惨憺たるもの。来店客数は前年同月比で、二ケタ台の落ち込みを示す月が続きました。昨年のBSE(狂牛病)問題の影響を受けたこともありました。 でも、最大の判断ミスはq企業の論理wが表にですぎたことでしょう。値下げ、値上げ、再値下げと、目まぐるしく価格が変わるなか、今後消費者はどう動くか。たしかに再値下げ後の売上げは急上昇したのですが・・・。 ◆新たな競争相手が進出 値下げはなにもマクドナルドだけではありません。アサヒビールが六月末に発砲酒の十円値下げに踏み切り、他の大手メーカーがこれに追随。百四十五円だった発泡酒はいまやコンビニの店頭で百三十〜百三十五円で並んでいます。 今春、主力機を一万〜二万円値上げした国内のパソコンメーカーは、以来、売上げが二〇%ほどダウン。この機に世界最大のパソコンメーカーであるデルコンピュータが、値下げ攻勢にでてきました。 しかし、問題の本質はデフレ以外のところにあるように思いす。本来、デフレはお金がなくてモノが買えず、価格が下がるというもの。ところが、お金はあっても買いたいモノがないというのがいまの状態。安さだけでモノが売れるのは、その価格が新鮮に映るあいだだけ。大切なのはモノの価値のはずです。
アーリア行政書士法人発行 季刊情報誌「FOUR SEASONS」2002年秋号Vol.23 取材・文/大西昭彦(経済ジャーナリスト)
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