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「2007年問題」が懸念されています。この年、1947年生まれの人たちが定年を迎えるのです。団塊の世代のなかでも、もっとも人数が多いとされる47年組。彼らの引退で、どんな問題が生じるというのでしょう。 日本の人口は2005年をピークに、以後減少の道をたどるといわれます。しかも、景気は上向く気配がなく、企業はリストラに懸命。基幹部門でさえ人員削減を余儀なくされている企業が多いのです。 こうしたなか、世代間の技術移転が滞り、機能不全に陥る企業の増加が問題になっています。中小製造業の場合、ベテラン職人や技術職の引退は、そのまま企業存続にさえかかわります。すでになんらかの問題が発生しているケースもあります。 ◆ベテラン社員が築いたシステム この問題は新しい領域であるIT分野にも広がっています。在阪のある流通業者は20年ほど前、売上や在庫管理を行うため巨大システムを導入。それが現在も動いています。ところが、現場からシステム担当者に中身の修正依頼がきても、なかなかそれに応えられないという事態が起こっています。 つまり、プログラム・ソースを読んでも、仕様書が詳しくないうえ、途中で何度か変更されているからです。しかも、運用ノウハウのないシステム担当者が、大掛かりな修正に応えることはきわめて困難です。 国内の大手企業がコンピュータを導入しはじめたのが70年前後。80年代に入ってそれは一挙に本格化しました。これは団塊の世代の社会経験と見事に附合します。 コンピュータ導入当時、企業は現場に詳しく、論理的な思考ができる若手社員を招集。コンピュータの知識と同時に、事務処理の手法を教え込んだのです。こうして、企業の基幹系システムが構築されていきました。 ◆システムのブラックボックス化 「危ないといっても、いまもシステムは動いてるじゃないか」という意見もあるでしょう。でも、最近は銀行システムが突然、機能不全に陥ったケースが目立ちました。これはベテランのシステム担当者が抜けたためだという指摘があります。つまり、なにか変化やトラブルがあった場合、どうにも対処のしようがなくなってしまうのです。 情報システムのブラックボックス化。いいかえれば、システムの細かい仕様書は、開発者の頭にしかないということです。しかも、頻繁に修整されるので中身がどうなっているのか、その全容を把握できない場合が多々あります。 明快な解決法はまだありません。組織としての対応が急がれているのはたしかです。
アーリア行政書士法人発行 季刊情報誌「FOUR SEASONS」2004年夏号Vol.27 取材・文/大西昭彦(経済ジャーナリスト)
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