マーケットコラム
●「守り」 重視に傾く自動車販売 

 自動車メーカーの販売戦略が、“攻め”から“守り”重視へと大きく転換しています。背景には、歯止めのとまらない新車販売の減少、若者のクルマ離れなど、販売をめぐる厳しい環境があります。

 5月の新車販売台数(軽自動車除く)は、23カ月連続で前年割れ。5月単月では31年前の水準にまで低迷し、新車の買い替え期間も6.8年とこの10年間で2年も延びています。

 値引き合戦で攻勢をかけるよりも、既存の顧客をどうケアしていくか――。メーカーや販社は、囲い込みに知恵を絞っています。

 クルマの点検からコーティング、車検クーポン券など、販社は顧客サービスを拡充。他の整備工場へいかないようにつなぎ留め、買い替えに持ち込もうと懸命です。

  メーカーも新車開発の期間を縮め、断続的に市場を刺激。トヨタは国内市場を細分化して、徹底的にマーケティングする特別チームを設置しました。

 しかし、総人口の伸び悩みはどうしようもありません。さらに問題なのは、人口増加が続く首都圏でさえ、新車が売れないことです。

 東京一極集中や都心回帰で地域の人口は増えても、地価の上昇で駐車場の料金は値上げとなり、公共交通機関も発達しているため、自動車離れが進んだことは確かです。

 こうしたなか、「保有ではなく利用」を喚起しようと、レンタカーやオートリースなどのビジネスが新たな活路を見いだしつつあります。カーシェアリングの動きも少しずつ膨らんできました。 決定打ではないものの、自動車をめぐる業界にも新しい動きが見えつつあります。

Four Seasons 2007年6月20日掲載

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