マーケットコラム
●「ファンド資本主義」 が押し寄せる  

 本格的な「ファンド資本主義」が自動車業界に押し寄せています。

 米サーベラスが独ダイムラー・クライスラーから、業績不振の北米クライスラーを55億ユーロ(約9000億円)で買収したのは記憶に新しいところ。1998年にダイムラー・ベンツが米ビッグ3の一角クライスラーと「世紀の合併」を行ってから、わずか9年のことです。

 投資ファンドは買収から数年間で再建にめどをつけて売却、利益を上げるのが通常の手法。再建には売れるクルマが不可欠ですが、それは並大抵ではありません。こうなると、企業の切り売りなど荒療治もあるでしょう。

 買い手は、北米進出を狙う中国や韓国、インドの自動車メーカーがまず考えられます。投資ファンド側も、成長が期待されるアジア市場で日本のメーカーと渡りあうには、さらに周辺企業の買収を工作してきます。こうなると、投資ファンドによる業界再編の波は、確実に日本メーカーにも押し寄せるでしょう。

 国内に目を移せば、国内販売低迷のなか、ホンダや日産、三菱自動車などが販売再編に乗り出しています。販売会社の統合や販売店の系列一本化などで、経営効率化を図ろうというもの。あとは新車が売れなくても、7500万台という国内保有台数を考えれば、サービス部門の拡充で収益基盤は確保できるとの声もあります。

 外圧に加え内部調整と、しばらくはその動きから目が離せません。

Four Seasons 2007年7月20日掲載

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