ファッションの世界では、好景気のときに黒が流行るといいます。ただし黒が出始めると、景気に陰りがでるという声があるのも確かです。色がもつ時代感覚。さて、クルマの世界ではどうでしょう。
中古車買取大手のガリバーインターナショナルの調査では、2000年以降「黒系」の比率が増加。全体に占める比率は06年に27%となり、最多の「白系」に迫る勢いです。

ボディーカラーの歴史をたどれば、1970年代の自動車は「緑系」「青系」「黄色系」といった有彩色が主流でした。それが80年代に入ると「赤系」に人気が移ります。その後、ソアラの登場で80年代半ばに「白系」が爆発的な人気となります。好景気に沸いたバブルの時代は、白が高級イメージを牽引した時代でもありました。
90年代に入ると、今度は「黒系」が数を増やしますが、90年代半ばには「青系」が復活。70年代のオイルショック後、90年代のバブル崩壊後に青いクルマがもてはやされたというのも、興味深い結果です。
90年代後半からは「グレー・シルバー系」が主流を占めています。そんななか、92年にピークを迎えていた「黒系」のボディーが、ここ数年じわじわとその比率を伸ばしています。

白系とシルバー系の区別は微妙なところですが、無彩色が現在の主流であることは間違いありません。この傾向は無彩色全体が90%を占めたバブル絶頂期の88年ときわめて似ています。ただし、コンパクトカーに限っては有彩色が約30%を占めるというのが、いまの時代ならではの特徴でしょう。
クルマは紛れもなく現代社会を象徴する商品。分析の妥当性はともかく、その色に時代の空気が反映されているのは確かかもしれません。 |